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ECコンサルタントとは|種類や仕事内容、将来性について徹底解説
「ECコンサルタントの仕事内容ってなんだろう」「ECコンサルをするには何ができればいいのだろうか」とお悩みではありませんか?
ECコンサルタントの本質は「売上改善」です。オンラインでの販売促進の重要性が高まっている今、ECコンサルの需要はかなり増えていえます。
この記事ではECコンサルタントについて、種類や仕事内容、ECコンサルタントになる方法について解説します。
年収や将来性についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
1.ECコンサルタントとは
ECコンサルタントとはクライアントのECサイトを最適化し、売上の改善を手伝う職業です。ECサイトに特化したコンサルタントといえるでしょう。
最近は実店舗とECサイトの両輪で経営している企業も増えてきており「オフラインとオンラインの両側から行う施策」の重要性が上がってきています。
「ECコンサルならオンラインで完結するため手軽そう」と思われることもありますが、Web制作スキル、Webマーケティングスキル以外にも、オフライン集客の施策についても熟知している必要があるため、実際はなかなかハードかつ難易度の高い職業です。
しかし苦労を乗り越えた末に売上を達成したときには、大きな達成感を味わうことができます。
またクライアントにも従業員がおり、従業員には家族がいます。
あなたの頑張り一つでいろいろな人の人生が救われると考えると、とても大きなやりがいを感じられる仕事ではないでしょうか。
関連記事:ECサイトはキツい?ECコンサルの経験と実際の求人から考える
2.ECコンサルタントの仕事内容
ECコンサルタントの仕事は、以下の流れで行われます。
- 1.戦略立案
- 2.Web制作
- 3.オンライン集客
- 4.オフライン集客
- 5.サイト改善
以下順に解説します。
2.1.戦略立案
まずは戦略立案。クライアントにヒアリングを行い、自社の問題、強みなどの洗い直しを行います。そのうえで競合の分析を行い、これらのデータからKPI(目標)の設定を行います。
KPIが決まらないと施策が決まらないので、戦略立案がECコンサルの中でも重要な部分を占めるといえるでしょう。
KPIは「売上」を最終的な指標としますが、いきなり売上を目標にすると未達時に原因がふんわりとしすぎるため、以下の項目に分解してKPIとする場合が多いです。
- ・セッション数
- ・CV数
- ・CVR
- ・平均購入単価
2.2.Web制作
KPIが決まった後、販売のベースになるECサイトを作成します(クライアントがECサイトを持っていない場合)。
このときWebサイト制作のスキルがあれば自分で制作も可能ですが、スキルがなくても外注すれば問題ありません。
またShopifyやBaseなどのいわゆる「ASP」を使えば、コーディングのスキルがなくてもECサイトの制作が可能です。
実はWeb制作のスキルはECコンサルタントに必須ではないのです。
詳細は「ECコンサルタントに求められるスキル」にて後述します。
2.3.オンライン集客
ECサイトが立ち上がれば、ターゲットとなる見込み客にアプローチすべく、オンラインでの集客を行います。
オンライン集客の方法はざっくり以下の4つです。
- ・SEO(検索エンジン対策、コンテンツマーケティング)
- ・MEO(Googleマップエンジン対策)
- ・SNS対策(Instagram、Facebook、Twitterなど)
- ・Web広告(Google広告、Facebook広告など)
- ・CRM施策(メールマガジン/LINEなど)
- ・記事広告(純広告/タイアップ記事など)
- ・PR(PressReleaseなど)
どれをとっても単独でコンサルが成り立つような内容ですが、ECコンサルタントは一人もしくは一社ですべてをカバーする必要があります。
2.4.オフライン集客
ECコンサルタントはオンライン集客だけでなく、オフラインでの集客もできる必要があります。
たとえば実店舗でInstagramのアカウント登録をしてもらってからSNSマーケティングを行う、などオフラインでの施策がオンライン上での施策に密接に関係するからです。
ほかにも店内にリーフレットを置いてリード獲得につなげる、協力企業さんとの交渉によりサイトの紹介をしてもらうなど、オフラインのスキルをどれだけ持っているかがECサイトの成功を分けると行っても過言ではありません。
また、名刺にECのURLを載せる。雑誌やTVなどのメディアへアプローチするなども含まれます。
ECコンサルになるには、デジタルだけでなくアナログに対しても幅広い知見が必要になるのです。
2.5.サイト改善
集客面でのKPIが達成された後それでも売上が達成されなかったときは、商品のクリック率や平均購入単価の改善に取り掛かります。
サイトの改善方法としてはボタンの色や文言などの小さな変更から、商品ページやサービス紹介ページ(LP)の構成など大がかりな変更まで、大小様々です。特にカート部分や商品詳細ページはCVへの重要な部分になるため、リンクの数やお客様の入力項目数、導線/商品情報の充実など改善を中心にする箇所になります。
商品詳細ページでは、実績や第三者からの評価、ユーザーレビュー、写真のクオリティーや数など確実にCV率が上がるという定石通りの対応は必ず行います。
その上、ABテストを繰り返し、最も効果の高い組み合わせを探します。
3.ECコンサルタントになるには
ECコンサルタントになる方法は以下の2つです。
- ①ECサイトも取り扱うWebマーケティング会社に就職する
- ②フリーランスECコンサルタントとして独立する
3.1.①Webマーケティング会社に就職する
ECコンサルタントになるには、Webマーケティング会社に就職するのが近道です。
最近はECコンサルを行う会社も増えてきましたし、企業にはノウハウがあることも多いので、Webサイト運営未経験者でも時間をかければECコンサルタントになれることでしょう。
ただWebマーケティング会社のすべてがECコンサルに対応していないこと、対応していても「最近始めたばかりで、全然ノウハウがない」などのケースもあるので事前リサーチはきちんと行うことが重要です。
ちなみにECサイト関連の会社に就職する際の志望動機の書き方については以下で解説しています。
関連記事:ECサイト運営の志望動機はこう書く|ECサイト運営にふさわしい性格とは
3.2.②フリーランスECコンサルとして独立する
フリーランスECコンサルとして独立する方法もあります。
とはいえフリーランスとして独立するからには「個人で企業に価値を提供できるだけのスキルが独立前から備わっている」必要があることを、忘れないようにしましょう。
ECサイトをコンサルティングするためのスキルを養う方法として、まずは自分でECサイトを立ち上げてみるのがおすすめ。自らのECサイトを運営するなかで「商品を売る難しさ」や「難しさを乗り越えた経験」などを実体験するのです。
そのうえで、自らのECサイトの売上を実績にして中小企業にアプローチしてみましょう。
実績は1社目さえ取得できてしまえば、2社目以降は集客がグッと楽になります。
しかし上記の通り、ある日突然「ECコンサルになりたい」と思っても、0からのスタートであれば独立するまでは時間がかかります。
そのため、はじめは副業としてECコンサルタントを始めるのがおすすめ。
収入が安定するまでは、本業を辞めないようにしましょう。
3.3.ECコンサルに資格は不要
ECコンサルに資格は不要です。
- ・応用情報技術者
- ・ITストラテジスト
- ・マーケティング・ビジネス実務検定
- ・ウェブ解析士
- ・ネットマーケティング検定
上記の資格やWeb制作スキルがあると、もちろん強みにはなります。
ただ資格は資格。ECコンサルタントを探している企業は『売上の改善』を求めているため、資格があっても結果が出なければ意味がないのです。
3.4.ECコンサルタントに求められるスキル
ECコンサルタントにとって、資格よりも「実際にECサイトの売上を改善できるスキル」が重要。
ECサイトのコンサルティングに求められるスキルとしては、以下の5つです。
- 1.目標を数字で追うマーケティングスキル
- 2.スキルの種類や幅を増やし続けられる柔軟性
- 3.期限前でも粘り強く売上を取りにいけるバイタリティ
- 4.クライアントと関係を築く能力
- 5.社会情勢や流行などを施策に落とし込める発想力
どれが欠けてもクライアントの求める結果を出し続けられません。
関連記事:ECサイト運営の志望動機はこう書く|ECサイト運営にふさわしい性格とは
3.5.新卒フリーランスは可能?
新卒フリーランスの職業の一つとして「ECコンサルタント」は可能です。
とはいえ新卒の段階でECコンサルとして仕事を取るのであれば、学生のうちからECサイトを立ち上げるなどしてサイトの売上を伸ばす勉強や経験を積む必要があります。
ECコンサルティングの契約をする上で、まずクライアントが知りたいのはやはり実績。
しかし逆に、と考えると「実績があってスキルがあるのなら新卒フリーランスでもOK」ともいえるのです。
ただ上記の通りECサイトをひとりで立ち上げて、勉強しながら戦略立案から集客、サイト改善などしていくのはかなり大変。
新卒フリーランスが目標であるなら、Webライターや動画編集者のほうが取り掛かりやすいといえます。
3.6.学生のうちからECコンサルの実績を作る方法
学生のうちからECコンサルの実績を作る、もうひとつの方法を紹介します。
実店舗をもちながらグッズのオンライン販売を行っているようなカフェに、アルバイトとして潜り込んでしまうのです。
小規模な店舗は、カフェのオーナーが我流でサイトを更新しているだけのケースが多いため「やりたいです」と手を挙げれば簡単に任せてもらいやすい環境が多い傾向があります。
実店舗でのオフライン集客やECサイトでのオンライン集客について勉強しながら、トライ&エラーを積むことでECコンサルティングの基礎を身に着けましょう。
また「この施策を打った結果~となった」というケーススタディが得られるのも大きなポイント。
「新卒でECコンサルになりたい」という方は、実店舗とオンライン販売の両方を行っている店を探しましょう。
4.ECコンサルタントの年収は?
ECコンサルタントの年収は400万~1000万円程度です。
かなり幅のある表現ですが、報酬は「どれくらいの規模感の会社をコンサルティングするか」によって大きく変わります。
例えば入社数年目で小規模な店舗をいくつか並行してコンサルを行っているようなECコンサルタントであれば、年収は400万~500万円。年間で億単位のフィーを払うような企業のコンサルをしている会社のマネージャークラスになると年収が1,000万円を超える、というようなイメージです。
実際「楽天市場」のECコンサル求職ページを見てみると、以下のように記載されています。
年収例
-
・450万円/26歳 ECコンサルタント(月給31万円+業績賞与)
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・600万円/28歳 リーダー(月給39万円+業績賞与)
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・820万円/32歳 マネージャー(月給53万円+業績賞与)
dodaの平均年収ランキング(2020年12月公開・男女合計の平均)での記載から、ECコンサルタントの年収は平均より高いといえるでしょう。
-
・20代:348万円
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・30代:444万円
-
・40代:510万円
5.ECコンサルタントは将来性もある
ECコンサルタントは将来性のある職業です。
「ECコンサルタントは、コロナで需要が急増しただけの『はやり』の職業」と考えている人もいるのですが、実際は逆。むしろこれから伸びるジャンルなのです。
- ・全国の消費者にアプローチ可能
- ・24時間いつでも購入可能
- ・対面での接客の必要がない分、売上の割に人件費がかからない
今後新型ウイルスの驚異が去り対面の販売が以前と同じようにできるようになっても、これらのオンライン販売のメリットが損なわれるわけではありません。
むしろECサイトのメリットが世間的に知れ渡った今、普通のコンサルタントですら「ECサイトの売上を伸ばせないと成果が出せない」時代となっていくのです。